雨で床滑り転倒 障害残る、しまむらに賠償命令
雨水でぬれた床で転んで骨折したのは店側が転倒防止の措置を怠ったのが原因として、
福岡県苅田町の女性(66)が衣料品量販チェーン「しまむら」(本社・さいたま市)を相手取り、
約1771万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が28日、福岡地裁小倉支部であった。
岡田健裁判官は「客が滑って転倒する危険があったことは明らかで、滑りやすい状態が放置されていた」として、同社に約572万円の支払いを命じた。
判決によると、女性は2009年7月24日、北九州市戸畑区の「ファッションセンターしまむら一枝店」を訪れ、入り口の自動ドア付近に置いてあった傘袋のスタンド近くで転倒し、右太ももを骨折。人工の骨で補強する手術を受け、後遺障害で右股関節が動かしにくくなった。
女性は「転倒したのは床が雨水でぬれていたためで、傘袋スタンド付近に滑り止め用マットを敷くなどの
事故防止策を怠った」と主張。同社は「自動ドアの外側などにマットを敷くなど対策を講じていた」と反論していた。
岡田裁判官は女性の損害額を約1486万円としたうえで、「滑らかな床面で、滑りやすくなっていたことは原告も容易に推察できた」として過失割合は原告65%、被告35%と判断。弁護士費用を加えて賠償額を算定した。
(2011年11月29日 読売新聞)
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