本日は摩擦係数とそのための測定器について書きます。
その2 測定器について
★滑り性測定器(相対比較)★
☆ビニル系床材・高分子系張り床材の滑り性試験機
試験片に鉛直荷重785N(約80kg)がかかるように調整された「滑り片」を乗せた状態で水平から18°の角度で引っ張り、滑り片が動き始めるまでの最大荷重で滑りの程度を評価するというものです。
測定される滑り性は、最大引張荷重)(N)を鉛直荷重(N)で除した値で、滑り抵抗係数:C.S.Rで表されます。
この試験機の特徴は、人間が歩行する時の滑りの感覚を機械により数値化したことにあり、滑り片は実際に人が履いている靴の種類を想定したゴム製のものが用意されています。
現在、我が国では床材の評価方法として、この試験機が主流になりつつあります。
タイルやグレーチングメーカーなどはこの機械で測定していますが、靴の種類を想定したゴムが軟質ゴムで測定しているので数値は出ますが、革や硬質ゴム底の靴では滑ります。
☆床の滑り試験方法(振り子形)に規定される滑り性試験機
振り子の先端に取付けられた鋼製の滑り片が試験片表面に接触する間の摩擦抵抗を測定して滑りの評価を行います。
測定される滑り性は、振り子の振り上がりの位置の目盛り(N・cm)をばね力(N)と滑り片の接触距離(cm)で除した値が床滑り抵抗係数:Uで表されます。
☆ASTME303の滑り性試験機
振り子の先端に取付けられたゴム製の滑り片が試験片表面に接触する間の摩擦抵抗を測定して、滑りの評価を行います。
測定される滑り性は、試験機に標された滑り抵抗係数:BPNの目盛りを読むことによって表されます。
通常、試験片表面を散水した状態で測定が行われます。
この試験機はもともと、自動車のタイヤと道路との摩擦を評価するために開発されましたが、その簡便さのため時代の流れと共にその用途は広がり、石材、金属、プラスチックなど床材の滑り性測定に使用されてきています。
☆PPDデジタルスリップメーター(フォースゲージ)
当社がスリップアウト施工時に使用・販売をしているタイル・石材専用の最新デジタル測定器です。
理論は静摩擦係数=静摩擦力(N)/重力(N) 測定係数N(ニュートン)です。
先にも書いたように数値の相対比較で滑りにくさを判断しますが、数値が高くても滑る床材があるので当社は何ニュートン以上は滑りやすい、滑りにくいとかの基準を設けず、あくまでも現状の床材に対して、滑るときの数値・滑り止め施工後の数値の差で判断します。
その数値を記録しておき、「滑りやすくなってきたな」と言うお客様に対しての判断基準としています。
★動摩擦係数測定器★
☆DFテスター(ダイナミック.フリクション.テスター)
D.F.テスター(ダイナミック・フリクション・テスター)は動的摩擦係数を計る簡易でポータブルな測定装置です。
一般に摩擦係数を計ることは簡単なように思われますが、原理的には簡単でも、実際には困難であるのが現実です。
この装置は物性の原理をそのまま応用したもので、いろいろな状況の下での摩擦係数を計ることができる点で各界に注目されています。
例えば自動車の走行性と密接に関係があるといわれている路面の滑りについて相対的な測定装置は今までにもありましたが、摩擦係数をそのまま測定できる装置はありませんでした。
また従来の測定は大がかりなものであり交通に支障を与えるために測定が難しかったのですが、この新しい測定装置は、これらの問題を容易に解決し、同時に結果をすばやくかつ簡単に記録し、評価できる簡便な装置であります。
この装置は全ての摩擦係数測定に利用できますが、特に一般床や、スポーツ関係の床の測定あるいは、従来から測定が大変な道路の路面などに利用することができる点で大きな特色があります。
欧米諸国でこのような機器の性能に着目し、その活用が巾広く検討されています。
他にもいろいろとありますが、代表的なものをご紹介させていただきました。
あらゆる床の滑り止め http://yuka-suberidome.t-ground.co.jp/
防滑施工の重要性